原典: Choosing the right model / 日本語版
一行要約
モデルを切り替えるより、effort を調整するほうが良いレバーであることが多い。 その上で、始め方は「効率優先(Haiku 4.5 から上げる)」と「能力優先(Opus 5.5 から下げる)」の2択で、たいていの作業は Opus 5.5 から始める。Opus 5.5 を xhigh / max にしても足りなければ Fable 5.1 に上げる。
要点
評価すべき4つの軸
- Capabilities — どの機能が必要か
- Speed — どれだけ速く応答する必要があるか。Opus 5.5 / Opus 5 / Opus 4.8 は fast mode(research preview)に対応し、プレミアム価格で最大 2.5倍の出力速度
- Cost — 開発と本番の予算
- Effort — いくつかのモデルは effort パラメータで1つのモデルの中で知能とレイテンシ・コストをトレードオフできる
Tuning effort is often a better lever than switching models.
effort を調整するほうが、モデルを乗り換えるよりも効くレバーであることが多い。
effort の起点はモデルで違う: Fable 5.1 と Opus 5 は既定の high から始め、eval を見て上下させる。Opus 5.5 の既定は medium で、そこから同じように調整する。Opus 4.8 と Opus 4.7 では、high と max の間の xhigh がたいていのコーディングと agentic 用途で最良の設定。
2つの始め方
Option 1: 効率優先(efficiency-first)
- Claude Haiku 4.5 で実装を始める
- ユースケースを十分にテストする
- 性能が要件を満たすか評価する
- 能力ギャップがある場合にだけアップグレードする
向く: 初期のプロトタイピング、レイテンシ要件が厳しいアプリ、コスト重視、大量で単純なタスク。
Option 2: 能力優先(capability-first)
- Claude Opus 5.5 で実装する
- そのモデル向けにプロンプトを最適化する
- 性能を評価する
- effort を下げる、またはモデルを下げることで効率を上げる
xhighやmaxの effort でも、要求の厳しい推論や long-horizon の agentic 作業で eval が足りなければ、Claude Fable 5.1 に移る
向く: 複雑な推論、科学・数学、ニュアンスの理解、正確さがコストに優るアプリ、高度なコーディングと高自律の agentic 作業。
乗り換える前に確かめること: Opus 5.5 は adaptive thinking が常時オン。強制ツール使用(tool_choice の any / tool)、thinking を切る設定、旧 computer_20251124 の computer use を使っている統合は、切り替える前に Opus 5.5 の破壊的変更を読む(thinking / computer-use-tool)。
モデル選択マトリクス
Most workloads start with Claude Opus 5.5.
たいていのワークロードは Claude Opus 5.5 から始まる。
| 必要なもの | 始めるモデル | 用途例 |
|---|---|---|
| 手に入る最高の能力 | Claude Fable 5.1 | 何時間も走るエージェントのセッション、多段の深い調査、完成した文書・スプレッドシート・スライドまで持っていく分析 |
| 複雑な agentic コーディングとエンタープライズ業務 | Claude Opus 5.5 | 数時間の自律コーディング、大規模リファクタ、複雑なシステム設計、vision 重視のワークフロー、computer use |
| 日常のコーディング・エージェント・業務での速さと能力 | Claude Sonnet 5.5 | コード生成、データ分析、コンテンツ作成、視覚理解、agentic なツール使用 |
| 最も低いレイテンシと価格(extended thinking つき) | Claude Haiku 4.5 | リアルタイム、大量処理、コスト重視だが推論力が要る、subagent タスク |
Fable 5.1 はすべての顧客に開かれた中で最も能力の高いモデルで、Fable 5 を long-running の agentic コーディング・知識労働・調査で強めたもの(入出力の価格は同じで、キャッシュ読み取りは4分の1)。同じ能力の Mythos 5.1 は Project Glasswing の参加者だけが使える。context window・出力上限・価格は、原典ではモデル比較表に移った。
切り替えるかの判断手順
- ユースケース固有のベンチマークテストを作る
having a good evaluation set is the most important step in the process
良い evaluation セットを持つことが、この過程で最も重要なステップである
- 実際のプロンプトとデータでテストする
- モデル間で比較する — 応答の正確さ / 応答の品質 / エッジケースの扱い
- 性能とコストのトレードオフを秤にかける
モデルを組み合わせる
複数モデルの構成は、安いモデルと frontier のモデルを組にして、トークンの大半を安い単価で払う。よくある形は2つ —— 難しい判断だけを advisor に上げる executor と、大量の作業を安い worker に配る orchestrator。
そのまま使える具体例
判断のフロー:
まず effort を調整してみる(モデル切り替えより良いレバーであることが多い)。それでも足りない / 過剰なら、どちらかの端から始める。
| 始め方 | 進め方 | 向くもの |
|---|---|---|
| 効率優先 | Haiku 4.5 → テスト → 能力ギャップがあればアップグレード | プロトタイプ、低レイテンシ、コスト重視、大量・単純 |
| 能力優先 | Opus 5.5 → そのモデル向けにプロンプト最適化 → effort を下げる / モデルを下げる。xhigh / max でも足りなければ Fable 5.1 | 複雑な推論、正確さ > コスト、高自律 agentic |
原典で言及されている関連文書
- effort — モデル切り替えより先に試すレバー
- develop-tests — 「良い eval セットを持つことがこの過程で最も重要」の具体化
- thinking — Opus 5.5 で thinking を切れないこと、強制ツール使用の 400