一行要約

社内10チームの事例集。技術者チームの共通項は「checkpoint を刻んで試し、ダメなら捨ててやり直す」非技術者チームの共通項は「Claude.ai で計画し、Claude Code で作る」

要点

10チームと主な用途

チーム主な使い方
Data infrastructureダッシュボードのスクリーンショットを食わせて Kubernetes を診断、財務チーム向けのプレーンテキストのワークフロー、新人のコードベース案内
Product development(Claude Code チーム自身)auto-accept mode での高速プロトタイピング、コア機能は同期的に、Vim mode の実装(最終実装の約70%が Claude の自律作業)
Security engineeringstack trace を食わせて制御フローを追跡Terraform plan のレビュー、複数の文書から runbook を合成、TDD
Inferenceコードベース理解、エッジケース込みの unit test 生成ML 概念の説明、言語をまたぐコード翻訳
Data science / visualizationJS/TS をほとんど知らないまま 5,000行の TypeScript アプリを構築、繰り返しのリファクタ、使い捨て notebook ではなく永続的な React ダッシュボード
APIどのファイルを見るべきかの「最初の一歩」、不慣れな領域の独立デバッグ、最新の research model snapshot での dogfooding
Growth marketing非技術者1名Google Ads クリエイティブの自動生成(headline / description の2つの sub-agent)、Figma プラグインで最大100バリエーション生成、Meta Ads MCP サーバ
Product designフロントの仕上げと state management の変更を自分で実装、GitHub Actions による自動チケット処理、モックアップ画像から動くプロトタイプ
RL engineering中小規模の機能実装、テスト生成とコードレビュー、call stack の要約
Legal(非技術者)家族向けのアクセシビリティツール、法務部門のワークフロー自動化、G Suite アプリ

報告されている効果(自己申告)

チーム数値
Security engineeringインフラのデバッグが 10〜15分 → 約5分
InferenceML 概念の調査時間が 80% 減(1時間 → 10〜20分)
Data scienceルーチンのリファクタで 2〜4倍の時間短縮5,000行の TypeScript アプリ
Growth marketing広告コピー作成が 2時間 → 15分クリエイティブ出力 10倍
Product design2〜3倍速い実行GA ローンチのメッセージングが1週間の調整 → 30分の通話2回Figma と Claude Code を80%の時間開いている
Product developmentVim mode の実装の約70%が Claude の自律作業
RL engineering一発で通るのは約3分の1

チーム横断で繰り返される tips

1. CLAUDE.md を具体的に書く

  • Data infrastructure: 「ワークフロー、ツール、期待を CLAUDE.md によく文書化するほど Claude Code の性能が上がる」
  • RL engineering: ツール呼び出しの繰り返しミスを防ぐ具体的な指示を書くrun pytest not run and don't cd unnecessarily - just use the right path
  • Product design: 「自分は設計者でコーディング経験が少ないので、詳しい説明と小さな増分の変更が欲しい」と書く

2. checkpoint を刻んで、ダメなら捨てる

  • Product development: クリーンな git 状態から始め、定期的に checkpoint をコミットする
  • Data science: 「スロットマシンのように扱う」 — 状態を保存し、30分走らせ、受け入れるか最初からやり直すか

    Starting over often has a higher success rate than trying to fix Claude’s mistakes. やり直すほうが、Claude の間違いを直そうとするより成功率が高いことが多い。

  • RL engineering: まず one-shot を試し、通らなければ協調モードに切り替える

3. 自己検証のループを作る

  • Product development: ビルド・テスト・lint を自動で走らせて自分の作業を検証させる特にコードを書く前にテストを生成させると効く

4. 非技術者は Claude.ai で計画し、Claude Code で作る

  • Growth marketing: Claude.ai でワークフロー全体を十分に検討し、Claude Code が参照する包括的なプロンプトとコード構造を作らせる
  • Legal: Claude.ai で全体を練り、「step-by-step のプロンプトにまとめて」と頼んでから Claude Code へ「一度に全部出さず、1ステップずつやって」と頼む

5. 画像を使う

  • Product design: Command+V でスクリーンショットを直接貼る
  • Legal: テキストで説明するより、スクリーンショットを見せて反復する
  • Data infrastructure: ダッシュボードのスクリーンショットを食わせて診断させる

6. タスクの分類の直感を養う

  • Product development: 非同期で回せるタスク(周辺機能、プロトタイピング)と、同期監督が要るタスク(コアのビジネスロジック、重要な修正)を見分ける

7. 複雑なワークフローは sub-agent に分ける

  • Growth marketing: 1つのプロンプトで全部やろうとせず、タスクごとに専用エージェントを作る(headline エージェントと description エージェント)。デバッグが容易になり、出力品質も上がる

8. 機微データには CLI より MCP サーバ

  • Data infrastructure: BigQuery CLI ではなく MCP サーバを推奨Claude Code がアクセスできるものをより良く制御でき、ログや privacy の要件に対応しやすい

9. チームで使い方を見せ合う

  • Data infrastructure: メンバーが互いに自分のワークフローを実演するセッションを開いた。 自分では気づかない使い方が広がった

10. コーディング以外にも使う

  • Security engineering: 複数の文書ソースを取り込んで markdown の runbook を作らせ、それをデバッグ時の context として使う書き方のサンプルと書式の好みを与えて、Slack や Google Docs にそのまま貼れる形にする

印象的な観察

Security engineering uses 50% of all custom slash command implementations in the entire monorepo. セキュリティエンジニアリングのチームが、**モノレポ全体のカスタム slash command 実装の50%**を占めている。

Developers get “augmented workflow” (faster execution), while non-technical users get “holy crap, I’m a developer workflow” (entirely new capabilities previously impossible). 開発者が得るのは**「拡張されたワークフロー」(実行が速くなる)であり、非技術者が得るのは「うわ、自分が開発者になったようなワークフロー」**(これまで不可能だった、まったく新しい能力)である。

Interrupt for simplicity when needed — while supervising, don’t hesitate to stop Claude and ask “why are you doing this? Try something simpler.” The model tends toward more complex solutions by default but responds well to requests for simpler approaches. 必要なら、単純さのために割り込め。監督している最中は、ためらわず Claude を止めて「なぜこれをやっているのか。もっと単純な方法を試してくれ」と尋ねよ。モデルは既定ではより複雑な解に傾くが、単純な方法を求められればよく応じる

Share prototypes despite imperfection — overcome the urge to hide “toy” projects. Sharing prototypes helps others see possibilities. 完璧でなくともプロトタイプを共有せよ。「おもちゃ」のようなプロジェクトを隠したくなる衝動を乗り越えること。プロトタイプを共有することで、他の人が可能性に気づける。

そのまま使える具体例

CLAUDE.md にツール呼び出しのミスを書く(RL engineering):

run pytest not run and don't cd unnecessarily - just use the right path

非技術者向けの CLAUDE.md(Product design):

I'm a designer with little coding experience. Explain what you're doing in detail,
and make smaller, incremental changes rather than large ones.

Terraform のレビュー(Security engineering):

what's this going to do? Am I going to regret this?

簡単にさせる割り込み(Data science):

why are you doing this? Try something simpler.

自律作業させる指示(Security engineering):

commit your work as you go

「スロットマシン」ワークフロー(Data science):

1. 現在の状態をコミットする
2. Claude を 30分 自律的に走らせる
3. 結果を受け入れる or 捨てて最初からやり直す
   (修正しようとするより、やり直したほうが成功率が高いことが多い)

非技術者の2段階ワークフロー(Growth marketing / Legal):

1. Claude.ai で、実装・UX・エッジケース・トレードオフを十分に検討する
2. Claude.ai に「これを step-by-step の実装プロンプトにまとめて」と頼む
3. その出力を Claude Code に渡す
4. 「一度に全部出さず、1ステップずつやって」と頼む

原典で言及されている関連文書