原典: What a task costs on Opus 5.5

一行要約

タスクの値段はターン数(毎ターン会話を送り直す)・キャッシュ読み取りの割合・出力(thinking を含む)・モデルで決まり、トークンを減らすどの手段も、タスクが終わらずにやり直す費用より安くはない。effort はモデルを変える前に上げ、その前にモデルが自分の作業を確かめる手段を渡す。

要点

前提

The tradeoff I want to share upfront is that every way to spend fewer tokens can also cost you a finished task. Lower effort, a smaller model, or less context can all certainly save tokens. A retry costs more than those savings.

最初に伝えたいトレードオフは、トークンを減らすどの方法も、終わったはずのタスクを失わせうるということだ。effort を下げる、小さいモデルにする、context を減らす —— どれも確かにトークンを節約する。だが、やり直しはその節約より高くつく。

原典の数字は Opus 5.5 の API 定価(入力 $4、出力 $20、キャッシュ読み取り $0.20 / 100万トークン)での例示で、キャッシュ書き込みは除いている。自分の作業で測れ、と原典は繰り返す。

タスクの値段を決める4つ

  • ターン —— 毎ターン、それまでの会話を送り直す。20K から 120K に育つタスクを40ターンで回すと、入力は約 2.8M トークン(会話は 120K を超えないのに)。キャッシュ90%で入力 約 $1.62、25ターンなら 約 $1.02。最も安いターンは、要らなかったターン。ターンを減らす習慣は、モデルに自分の作業を確かめる手段(走らせるテスト、ビルド、エンドポイントを叩くスクリプト)を渡すこと、必要なものを1回で集めツール呼び出しをまとめること
  • キャッシュ読み取り —— 同じ 2.8M がキャッシュ無しなら $11.20、90%で $1.62、96%で 約 $0.99。入力の費用をこれほど動かす設定は他に無い
  • 出力 —— Opus 5.5 では出力1トークンがキャッシュ読み取りの100倍。thinking は出力として全部払う(Claude Code が要約しか見せなくても)。だから effort が請求を大きく動かす
  • モデル —— キャッシュ読み取りが安いモデルは長いセッションに、出力が安いモデルは推論の多いタスクに効く

Opus 5.5 で変わったこと

入力と出力は Opus 5 より20%安く、キャッシュ読み取りは60%安い(入力単価の10分の1から20分の1へ)。Pro / Max / Team では、下がった価格が上限に反映され、Opus 5 より約25%長く使える。同じトークン数の例のセッションでは約31%安くなる(価格の変化だけ)。

You may have seen that Opus 5.5 costs 40% less to run than Opus 5. That’s our estimate for typical workloads billed by token, at default settings. It assumes Opus 5.5 uses fewer tokens per task at its medium default, on top of the lower prices, so it isn’t a 40% cut to the price of a token.

Opus 5.5 は Opus 5 より運用費が40%安いと聞いたかもしれない。それはトークン課金の典型的な作業を既定の設定で見積もったもので、低い価格に加えて、既定の medium で1タスクあたりのトークンが少ないことを前提にしている。だからトークン単価が40%下がったわけではない。

Opus 5.5 は返答の前に必ず考えるので、1つの答えに使うトークンは増えうる。 範囲の決まったタスクでは両モデルのターン数はほぼ同じで、効くのは値下げだけ。差が最も開くのは、間違った案に多くのターンを使いうる開かれたタスク。

effort ―― モデルを変える前に上げる

  • 範囲の決まった日常の作業は medium(Opus 5.5 の既定。Opus 5 の既定 high より1段低い)。止まったら high、機械的な作業(改名、既知のパターンを多くのファイルに当てる)は low
  • 同じレベルでも、Opus 5.5 は Opus 5 より1ターンあたり多く考える(特に xhigh / max)。Opus 5 で選んだレベルを持ち越さない
  • 目安: high が1タスクで thinking を 20K 足すと Opus 5.5 で $0.40。100K のキャッシュ済み context で10ターンのやり直しも同じくらい。だから high はやり直しを1回減らすタスクなら元が取れ、medium で1回で済んだタスクでは無駄

So before you raise effort, check whether the model has a way to check its work. A test run costs one turn and its output. More effort adds thinking to every turn.

だからeffort を上げる前に、モデルに自分の作業を確かめる手段があるかを確認せよ。テストの実行は1ターンとその出力で済む。effort を上げると、すべてのターンに thinking が足される。

(API ハンドラで項目名を変えたとき、medium はハンドラだけ直してクライアントを見落とす。クライアントを通るテストがあれば、medium のままその場で落ちる)

On Opus 5.5 with an API key or a Claude subscription, changing effort keeps the cache. You can raise it for one hard step and lower it again without rewriting the conversation.

Opus 5.5 を API キーか Claude の購読で使うなら、effort を変えてもキャッシュは保たれる。難しい1歩のために上げ、会話を書き直さずにまた下げられる。

会話の途中で effort を変える: /effort high で次のリクエストから。Opus 5.5 を API キーか Claude の購読で使うなら、変えてもキャッシュは保たれる。Amazon Bedrock・Google Cloud の Agent Platform・Claude apps gateway では、effort の変更がキャッシュを消す(次のリクエストが会話全体の書き込み価格を払う)。

モデルの選び方

  • Opus 5.5 は普段使い —— 自分が見張る作業(数ファイルの機能、デバッグ、修正つきのコードレビュー)
  • Fable 5.1 に上げる —— 見張らない長い実行、コードベースに前例の無い問題、多くの subagent を調整する大きな変更。Opus 5.5 の xhigh が同じ問題に2回当たったら切り替え、解けたら戻す。Fable 5.1 は Opus 5.5 の2.5倍の単価だが、キャッシュ読み取りは1.25倍なので、差はキャッシュの多い長い実行で最も小さく、たくさん書くタスクで最も大きい
  • 切り替えは区切りで —— キャッシュは前のモデルのもの。/compact するか、短い計画を書いて新しいセッションで始める。/model は新しいセッションの既定としても保存されるので、終わったら戻す
  • 検索・ログ読み・「どこで定義されている?」は Sonnet か Haiku の subagent に、コードの編集は Opus 5.5 に(多くのファイルへの機械的な編集は Opus 5.5 の low)。小さいモデルが検索結果を読み違えると、主モデルが誤ったファイルを追う費用を払うので、間違いが安く見つかる作業だけに使う
  • agent teams は plan mode で通常の約7倍のトークン(costs のドキュメント)。小さく保ち、終わったら止める
  • opusplan は編集を Sonnet に置く(上の助言の逆)。既定にする前に自分のタスクで測る

移行時は prompt を点検する —— 古いモデル向けの指示は Opus 5.5 に多く書かせ、ツール呼び出しを繰り返させる。/claude-api prompt-audit で skill や CLAUDE.md を点検する。社内のサポートのベンチマーク(44件)の費用:

The move to Opus 5.5, at low effort, cut the benchmark’s cost by about 18%. Running prompt-audit cut it by a further 9%, to about 25% below the Opus 4.8 starting point.

Opus 5.5 の low effort に移すと、ベンチマークの費用は約18%下がった。prompt-audit を走らせるとさらに9%下がり、Opus 4.8 の出発点より約25%下になった。

外したのは6段の必須手順、スクラッチパッドの規則、2回確かめる規則、互いに矛盾する指示。1つのベンチマークの結果で、期待値ではない(同じ44件の数字は automating-eval-design-and-hillclimbing と食い違う。OVERVIEW §5)。

キャッシュと compaction

  • キャッシュ読み取りは新しい入力の5%、書き込みは5分キャッシュで1.25倍、1時間キャッシュで2倍。当たるたびに寿命は延びる
  • Claude Code のキャッシュ寿命: 購読なら1時間、API キーやクラウドプロバイダなら既定で5分(購読でも usage credits を使い始めたら5分)。120K の context で、5分の書き込み 約 $0.60、読み取り 約 $0.02 —— API キーで6分の休憩をはさむと、次の $0.02 の読み取りが $0.60 の書き込みになる
  • キャッシュが書き直しになる場面: キャッシュ寿命より長い中断、Bedrock / Agent Platform / gateway での effort の変更、会話で初めて fast mode を入れる、MCP サーバの接続・切断、モデルの切り替え、compaction。これらはセッションの初めに決めて、作業中は触らない
  • context が大きいほど1ターンが高い —— 150K なら1ターンの読み取り 約 $0.03、30ターンで $0.90。20K なら30ターンで 約 $0.12
  • /clear は無料(無関係な作業に移るとき)。/compact は1リクエスト分(150K で 約 $0.25、以後1ターン 約 $0.025 節約するので約10ターンで元が取れる)。終わる直前の compaction は割に合わない。キャッシュが温かいうちに、休憩の前に compact する(休憩後だと会話全体を読み直して書き戻す)。捨てたい道に入ったら /rewind
  • CLAUDE.md は毎ターン送り直される(costs のドキュメントは200行未満を勧める)。MCP のツール定義は deferred で、使うまで名前とサーバの指示だけ

その他の請求

fast mode は Opus 5.5 を最大2.5倍速く、標準の2倍の価格(入力 $8、出力 $40)。購読では usage credits に請求される。入れた直後のリクエストは会話全体をキャッシュ無しの fast mode 入力価格で払うので、セッションの途中ではなく初めに入れる。Batch API は入出力とも半額。企業導入での平均は開発者1人・稼働日あたり約 $13、90% のユーザーは $30 未満(costs のドキュメント)。

自分で測る

  • /usage(/cost も同じ)の Session ブロックでトークンと定価での推定額、キャッシュの行で入力のうちキャッシュから来た割合。購読ではこれは請求ではなく、した仕事の量の目安
  • 同じタスクを2回 —— バックログの本物のタスクを、/model で Opus 5 と Opus 5.5 で走らせ、ターン・出力トークン・費用を記録。結論は3〜4タスクやってから
  • セッションの読み方: キャッシュの割合(低ければ長い中断・モデル切り替え・途中の MCP 接続・クラウドでの effort 変更を探す。キャッシュの行がたいてい直前の miss の原因を名指しする)、小さな変更なのに出力が多い(effort が高すぎるか、やり直している)、入力の合計が会話の大きさの何倍もある(ターンが多い。どこでループしたかを読む)

そのまま使える具体例

/effort medium
/effort status
/model
/usage
/compact keep the failing test names and the schema change
/claude-api prompt-audit

覚えておくこと(原典の結び):

  • 範囲の決まった日常の作業は medium。モデルに作業を確かめる手段を渡し、ファイルをまたぐ変更は plan mode で始める
  • medium が止まったら high。API キーか購読ならキャッシュは保たれる。クラウドプロバイダや gateway では区切りで変える
  • xhigh が同じ問題に2回当たったら Fable 5.1、解けたら戻す
  • 検索とログ読みの subagent は Sonnet か Haiku に、コード編集は Opus 5.5 に
  • 長いセッションは動かし続けてキャッシュを温かく保つ。無関係なタスクの間は /clear、区切りで何を残すかを添えて /compact
  • 最も大事なのは、本物のタスクを各モデルで1つ走らせて /usage を比べること

原典で言及されている関連文書